相手を見極めることも重要

介護職の転職では、相手に自分をアピールするばかりでなく、自分もしっかり相手を見極めることが大切です。特に介護職未経験者は介護業界のことをよく知らないため、特に気をつける必要があります。そもそも、一口に介護職といっても、施設職員やホームヘルパーをはじめ、有資格者による送迎ドライバーに至るまで、実はとても幅広くあります。また職場についても、特別養護老人ホームなのかデイケアサービス施設か、あるいは病院内かグループホームなのか等、働く環境の違いは大きいです。

既に介護業界で働いていれば、どういう職場がどのような仕事内容なのか、ある程度の実態は理解できるでしょう。しかし未経験者が転職する場合には、せいぜい求人広告やホームページあるいはネットの口コミ情報くらいで、実態を把握するしかありません。したがって未経験者にとっては、とにかく採用面接まで進み、採用者側に疑問点や不明瞭な点を直接質問するのが、最も確実に職場を把握する方法ということになるのです。

ただし面接での質問や確認の仕方には、大切なポイントが幾つかあります。まず心構えとして、「雇っていただく」という意識を捨てることです。採用選考というものは、本来であれば採用者側と応募者とがお互い対等の立場で、希望や条件をマッチングしていく機会になります。応募者は面接の際に、ことさら遠慮したり萎縮する必要はないのです。

そして待遇や給与など労働条件の重要事項についてはしっかり尋ねてみましょう。その上で、譲歩できる部分とできない部分を見極め、その応募先で自分がやっていけるのか判断すべきです。特に労働環境の待遇改善が叫ばれる介護業界ならば、転職後に雇用関係のトラブルを避けるためにも、なおさら質問しておくことをお勧めしまます。なお面接で質問の際には、採用者側にマイナスの印象を与えないように、自然な会話の流れの中で尋ねるのがコツです。